電気工事業で建設業許可をとるには?よくある質問に徹底回答!
電気工事業で建設業許可を取得したいけれど、何から考え始めたら良いのかわからず悩んでいる方はいませんか。この記事では、建設業許可が必要となる電気工事業についてや、建設業許可をとるための要件、電気工事業の専任技術者の要件、よくある質問に関する回答などを解説しています。
記事の内容は、杉田侑亮事務所の所在地である大阪府の情報を元に執筆しています。一般的な情報としても十分参考にしていただけるので、これから建設業許可を取得しようと考えている方はぜひ最後までお読みください。
建設業許可が必要となる電気工事業は?
電気工事業で建設業許可が必要となるのはどのような工事でしょうか?以下で電気工事業とは何かを解説した上で、建設業許可が必要な場合を解説します。
電気工事業の定義
電気工事業とは、建物や施設の電気設備を設計、設置、修理、保守する仕事です。具体的には、発電設備工事、送配電線工事、電車線工事、ネオン装置工事などを指します。
電気工事業には電気工事業登録が必要
建設業許可を取得する前に、そもそも電気工事を自社で施工するためには、「電気工事業登録」(※1)という法的手続きが必要です。この登録をするためには、以下の条件を満たすことが求められます。
- 技術者の資格
国家資格である「電気工事士」を有する技術者が必要です。第二種電気工事士や第一種電気工事士の資格が求められます。
- 実務経験(※2)
電気工事士資格取得後、一定期間の実務経験が必要です。
- 事業所の確保
電気工事を行うための設備や工具が揃った事業所が必要です。
500万円以上の電気工事は建設業許可が必要
電気工事業登録をして電気工事業を営む中で、小規模事業所の分電盤の交換や、照明の設置といった軽微な工事を行う際には問題ありませんが、税込500万円以上の規模の工事を請け負う場合には建設業許可が必要です。
建設業許可があれば顧客や取引先からの信頼が高まり、新たなビジネスチャンスが広がりやすいでしょう。また、許可を持っていることでより大きなプロジェクトに参加でき、収益の増加も期待できます。事業の発展を考えるのであれば、建設業許可を取っておくのが良いでしょう。
電気工事業で建設業許可をとるには

建設業許可を取得するには、まず5つの要件を満たす必要があります。特にその中の要件の一つである「専任技術者」は、どの業種(※3)で許可を取得するかによって、求められる人材の要件が変わってきます。
ここでは5つの基本要件を確認した上で、電気工事業の専任技術者の要件について解説します。
建設業許可の5つ要件を満たす
建設業許可を取るには、どの業種であっても以下の5つの項目についてそれぞれ要件をクリアしなければいけません。
- 経営業務の管理責任者
- 専任技術者
- 財産的基礎・金銭的信用
- 欠格要件
- 建設業の営業所
上記の各項目の要件の詳細や、許可の取得方法などについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
建設業許可の基礎知識と大阪府での取得方法をわかりやすく解説!
電気工事の専任技術者の要件
上記の専任技術者に関する要件は、建設業許可を取りたい業種(※3)によって変わります。
専任技術者とは、建設業の技術的な責任者のことです。より詳細に言うと、電気工事業に関する資格や実務経験(※2)を持っている必要があり、営業所に常勤する従業員となります。許可を取得をするなら、電気工事業における専任技術者の要件に合った人材が必要です。
電気工事業の専任技術者となるための要件は、大まかに以下の2つのパターンです。
◎パターン1:特定の国家資格等を所有している。
資格の内容によって、一定の実務経験も求められます。
◎パターン4:国土交通大臣に上記と同等以上の知識と技術、技能があると認定される。
ほとんどの業種では、要件を満たす条件の一つとして10年の実務経験がありますが、電気工事の場合は、資格保有ありきで業務が行われているため、実務経験のみではいくら経験があっても要件クリアにならないので注意しましょう。
専任技術者の詳細な要件は一般建設業許可(※4)か特定建設業許可(※5)によっても変わります。専任技術者と認められるには上記の要件を満たすだけでなく、それぞれの内容を証明する書類も必要となります。
電気工事業の専任技術者の要件に当てはまるかどうか詳しく相談したいという方やご不明点がある方はぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせください。大阪府だけでなく奈良県や兵庫県など近隣府県での建設業許可や大臣許可取得のご相談もお受けしています。
建設業許可の取得に有効な電気工事業の資格
以下は電気工事業で建設業許可を取得したい場合に有利な資格の一覧です。資格の種類によっては以下で記載しているように、一定期間の実務経験も必要となります。
- 1級電気工事施工管理技士(第2次検定)【国家資格】
- 2級電気工事施工管理技士(第2次検定)【国家資格】
- 技術士法の建設または総合技術監理(電気電子部門または建設部門)
- 第1種電気工事士【国家資格】
- 第2種電気工事士+3年以上の実務経験【国家資格】
- 第1種電気主任技術者+5年以上の実務経験【国家資格】
- 第2種電気主任技術者+5年以上の実務経験【国家資格】
- 第3種電気主任技術者+5年以上の実務経験【国家資格】
- 建築設備士+1年以上の実務経験【国家資格】
- 1級計装士+1年以上の実務経験
- 2級計装士+1年以上の実務経験
- 登録電気工事基幹技能者+2年以上の指導監督的な実務経験
電気工事業の建設業許可に関するよくある質問
電気工事業の建設業許可に関するよくある質問について解説します。
電気工事業で建設業許可の取得を予定しています。専任技術者は現場に出ることができますか?
基本的には、できません。専任技術者は、契約の締結の際など技術面の責任者として営業所に常にいる必要があるためです。現場で指導をする責任者は、「主任技術者」という役割の人を別に配置する必要があります。
ただし、現場と営業所との距離や請け負う工事の金額などによっては、専任技術者が主任技術者を兼任して現場に出ることも可能です。規模の小さい事業所では、兼任をしているところは少なくありません。
電気工事業で建設業許可を取得したら「みなし登録電気工事業者」になるんですか?
はい。電気工事業を開業する際は、電気工事登録が必要であることは、最初の方で説明をしましたが、電気工事業でさらに建設業許可を取得したら「みなし登録電気工事業者」となります。これは、自動的に変更になるものではないため建設業許可を取得したら、「登録電気工事業者」の廃止届を出し、「みなし登録電気工事業者」の開始届を管轄の都道府県に提出しましょう。
建設業許可取得にあたって、他社からの出向社員に専任技術者になってもらうことはできるか?
はい、他社に所属している出向社員を自社の専任技術者として迎え入れることはできます。ただしこの場合、必要書類が増えるので注意しましょう。
大阪で電気工事業の建設業許可を取るなら杉田侑亮行政書士に
電気工事業で建設業許可を取得したいと考えているなら、特定の資格や実務経験などを持つ専任技術者の確保が必須です。ここまで、建設業許可が必要となる電気工事業についてや、この業種で建設業許可を取るための専任技術者の要件、よくある質問についてなどを解説してきました。
より詳細についてご相談されたい方や、申請代行を依頼されたい方は建設業許可取得を得意とする行政書士・杉田侑亮事務所にぜひご相談ください。
専門用語の解説
(※1)電気工事業登録
電気工事業登録とは、電気工事を行う事業者として開業するために必要な正式な登録です。経済産業大臣や都道府県知事のもとで行われます。
(※2)実務経験
実務経験とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験のことです。建設工事の発注にあたって設計技術者として設計に従事した経験、現場監督技術者として監督に従事した経験、土工とその見習いに従事した経験なども含まれます。ただ単に建設工事の雑務のみの経験年数は含まれません。
(※3)業種
建設業許可では29業種の区分があり、営業する建設工事の業種ごとに許可を取る必要があります。詳しくは以下の記事の「3.29業種の区分|請け負う工事の種類」をご参考ください。
建設業許可の基礎知識と大阪府での取得方法をわかりやすく解説!
(※4)一般建設業許可
一般建設業許可とは比較的小規模な工事を行うための許可で、原材料と税込で500万円以上の工事を請け負う場合に必要となります。詳しくは以下の記事の「2. 一般建設業と特定建設業|一定額以上の下請の有無」をご参考ください。
建設業許可の基礎知識と大阪府での取得方法をわかりやすく解説!
(※5)特定建設業許可
特定建設業許可とは大規模な工事を行うための許可で、下請け業者に支払う総額が4,500万円以上(建築工事は7,000万円以上)の工事を請け負う場合に必要となります。詳しくは以下の記事の「2. 一般建設業と特定建設業|一定額以上の下請の有無」をご参考ください。
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